ブラウザが理解できるのはたった4つだけ!Webサイトの本当の仕組み
- 2025/06/26
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- Webサイトの基礎
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WordPressでWebサイトを構築する前に、まずはWebサイトがどのような仕組みで動いているのかを理解しましょう。この基礎知識があることで、後にWordPressを学習する際により深く理解できるようになります。
本記事では、Webサイト基本構造を整理し、これからの学びの確かな足場となるようお伝えします。
目次
Webサイトとは何か?
インターネット上の「ページ」の正体
私たちが日常的に見ているWebサイト、実はインターネット上に保存されているファイルの集まりです。これらのファイルは世界中のサーバーに保存されており、私たちがブラウザでアクセスするとダウンロードされて画面に表示されます。
例えば、あなたが今読んでいるこの記事も、サーバー上のファイルがあなたのパソコンやスマートフォンのブラウザにダウンロードされ、読みやすい形で表示されているのです。
「Webサイト」と「Webページ」の違い
Webページ
1つの画面に表示される単一のページ(この記事のような1つのページ)
Webサイト
複数のWebページが集まって構成されるサイト全体(会社のサイト全体など)
例えば、企業のWebサイトには「トップページ」「会社概要」「サービス紹介」「お問い合わせ」など複数のWebページがあり、これらが全体でWebサイトを構成しています。
「ホームページ」とは?
ここで重要な用語の整理をしておきましょう。「ホームページ」という言葉は、実は2つの意味で使われています。
本来の意味
ホームページとは、Webサイトの「最初のページ」、つまり「トップページ」のことです。企業サイトでいえば、サイトのURLにアクセスした時に最初に表示されるページがホームページです。
日本での一般的な使われ方
しかし日本では、「ホームページ=Webサイト全体」という意味で使われることが多くなっています。「ホームページを作る」「会社のホームページ」といった表現は、実際にはWebサイト全体を指しています。
正しい理解
- Webサイト = サイト全体(家全体)
- ホームページ = その中の最初のページ(玄関)
- Webページ = 各個別のページ(各部屋)
この区別を理解しておくことで、Webサイト制作の話が混乱せずに理解できるようになります。本講座では正確性を重視し、「Webサイト」「Webページ」「ホームページ(トップページ)」を適切に使い分けます。
ブラウザの役割とは
Webブラウザが担う「表示」の仕事
Webブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Edgeなど)は、サーバーからダウンロードしたファイルを人間が読みやすい形に変換して表示する役割を担っています。
ブラウザの主な仕事
- ユーザーがURLを入力(またはリンクをクリック)する
- サーバーからファイルをダウンロードする
- ダウンロードしたファイルを解析する
- 解析した内容を画面上に美しく表示する ユーザーの操作(クリック、スクロールなど)に反応する
Webサイトはブラウザにどう見えているのか
私たちには美しいWebサイトに見えても、ブラウザから見ると実は「コードの集まり」です。ブラウザはこのコードを読み取って、私たちが見ている美しいデザインに変換しています。
重要なポイント ブラウザは決められた種類のファイルしか理解できません。この「決められた種類」こそが、次に説明する4つの要素です。
ブラウザが理解できる4つの要素
ここが最も重要なポイントです。どんなに高度な技術を使ってWebサイトを作ったとしても、最終的にブラウザが理解できるのは以下の4つだけです。
HTML:構造(見出し・段落・リンクなど)
HTMLは、Webページの「骨組み」を作る言語です。
HTMLが決めること
- どこが見出しで、どこが本文なのか
- どこにリンクがあるのか
- どこに画像を配置するのか
- ボタンやフォームの配置
例えば、「このテキストは大見出し」「ここは段落」「ここはリンク」といった構造を指定します。
CSS:装飾(色・配置・フォントなど)
CSSは、HTMLで作った骨組みに「見た目」を与える言語です。
CSSが決めること
- 文字の色、大きさ、フォント
- 背景色や背景画像
- レイアウト(要素の配置)
- アニメーション効果
HTMLだけだと味気ない構造だけのWebページになりますが、CSSを加えることで美しいデザインになります。
JavaScript:動き(クリック時の挙動、スライダーなど)
JavaScriptは、Webページに「動き」や「インタラクション」を与える言語です。
JavaScriptが実現すること
- ボタンをクリックした時の反応
- 画像スライダーの動作
- フォームの入力チェック
- ページの一部だけを更新する機能
画像・動画などのメディア:視覚情報の補完
文字や装飾だけでは伝えきれない情報を、画像や動画で補完します。
メディアファイルの種類
- 画像:JPEG、PNG、GIF、WebPなど
- 動画:MP4、WebMなど
- 音声:MP3、WAVなど
どんな技術で作っても「最終的に出力されるのはこの4つ」
これは非常に重要な概念です。Webサイトを作る方法は数多くありますが、最終的にブラウザに送られるのは必ず「HTML、CSS、JavaScript、メディア」の4つだけです。
Webサイトを作る様々な方法
現在、Webサイトを作る方法は主に以下の4つがあります。
HTMLを直接書く方法
- HTML、CSS、JavaScriptのコードを手作業で書いて作成
- 最もシンプルで直接的な方法
ノーコードWeb構築サービスを利用する方法
- Wix、Jimdo、STUDIO、Squarespaceなどのサービスを利用
- ビジュアルな操作だけでWebサイトを作成
WordPressなどのCMSを利用する方法
- コンテンツ管理システム(CMS)を使用
- 管理画面から記事や画像を投稿して作成
PHPやRuby、Pythonなどのプログラミング言語を利用する方法
- サーバー側でプログラムを実行してWebサイトを生成
- 高度な機能やカスタマイズが可能
「静的Webサイト」と「動的Webサイト」の違い
これらの方法は、大きく2つのタイプに分けられます。
静的Webサイト
- あらかじめ作られたHTMLファイルをそのまま配信
- HTMLを直接書く方法が代表例
- ファイルの内容は基本的に変わらない
- サーバーの負荷が軽く、表示が高速
動的Webサイト
- アクセスの度にプログラムが実行されてHTMLを生成
- WordPress、ノーコードサービス、プログラミング言語を使った方法
- ユーザーや状況に応じて内容を変えられる
- データベースと連携して最新情報を表示可能
例えば、ブログサイトの場合
- 静的Webサイト:記事を追加する度にHTMLファイルを手作業で作成・更新
- 動的Webサイト:管理画面で記事を投稿すると、自動的にHTMLが生成される
なぜ動的Webサイトが望ましいのか?
静的Webサイトの問題点 記事を変更する度に、HTML(プログラム)を直接編集する必要があります。例えば、会社の住所が変わった場合、すべてのページのHTMLファイルを探して手作業で修正しなければなりません。
動的Webサイトの利点 管理画面から記事を修正するだけで、プログラム自体は変更不要です。住所変更の場合も、管理画面で一箇所修正すれば、その情報を使用しているすべてのページが自動的に更新されます。
重要なポイント 編集者が容易にWebサイトを更新するには動的Webサイトが不可欠です。プログラミングの知識がない人でも、管理画面から簡単に記事を更新できるため、現代のWebサイト運営には動的Webサイトが求められています。
重要な事実:どの方法でも最終出力は同じ
ここが最も重要なポイントです。作り方がどんなに違っても、最終的にブラウザに送られるのは「HTML、CSS、JavaScript、メディア」の4つだけです。
つまり、どの制作方法を選んでも
- HTMLを手書きしても
- WordPressで記事を投稿しても
- ノーコードサービスでドラッグ&ドロップしても
- 高度なプログラミングをしても
ブラウザに届くのは結局同じ4つの要素だけなのです。
ブラウザの「理解できるもの」が変わらないという事実
この事実を理解することで、以下のことがわかります。
- どんな新しい技術が出ても、最終出力は変わらない
- ブラウザの表示結果を改善したければ、この4つの品質を向上させる必要がある
- 複雑な技術を学ぶ前に、この4つの基礎を理解することが重要
- 作成方法は違っても、最終的に出来上がるものは本質的に同じ
裏側の技術との違い
サーバー処理(PHPなど)はブラウザから見えない
動的Webサイトでは、サーバー上で様々なプログラミング言語が動いています。例えば、WordPressはPHPという言語で作られており、ECサイトではPython、企業システムではJavaが使われることもあります。
しかし、これらの言語で書かれたプログラムコード自体は、ブラウザに送られることはありません。サーバー上でプログラムが実行され、その結果として生成されたHTML、CSS、JavaScriptだけがブラウザに送信されます。
サーバー側で起こること
- ユーザーがWebページにアクセス
- サーバーがPHPプログラムを実行
- データベースからデータを取得
- テンプレートとデータを組み合わせてHTMLを生成
- 生成されたHTML、CSS、JavaScriptをブラウザに送信
出力結果だけがユーザーのブラウザに届く
つまり、サーバー上でどんなに複雑な処理をしていても、ブラウザに届くのは最終的な「HTML、CSS、JavaScript、メディア」だけです。
これは料理に例えると、レストランの厨房でどんなに複雑な調理過程があっても、お客様のテーブルに届くのは完成した料理だけ、ということと同じです。
まとめ:Webサイトの本質は「ブラウザに渡す情報」
どんな構築方法でも「HTML・CSS・JavaScript・メディア」に行きつく
この記事で最も重要なポイントは、「どんな技術を使ってWebサイトを作っても、ブラウザが扱えるのはHTML、CSS、JavaScript、メディアの4つだけ」ということです。
- WordPressを使っても
- 最新のプログラミング技術を使っても
- ノーコードツールを使っても
- 手作業でHTMLを書いても
最終的にブラウザに届き、ユーザーが目にするのは同じ4つの要素だけです。
だからこそ、表示の仕上がりを意識することが重要
この基礎知識があることで
- 技術選択の判断基準が明確になります
- 問題解決の方向性がわかります
- 学習の優先順位が決められます
- 品質向上のポイントが理解できます
次回の記事では、この4つの要素を出力するための様々な「Webサイトを作る方法」について詳しく解説し、なぜWordPressが優れた選択肢なのかを説明します。
今回学んだ「ブラウザが理解できる4つの要素」という概念を頭に入れて、次の学習に進みましょう。この基礎があることで、WordPress学習がより深く、より実践的になることをお約束します。
