WordPressテーマヘッダー完全リファレンス
- 2025/08/06
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WordPressでオリジナルテーマを作成する際、style.cssファイルの冒頭にテーマヘッダー(テーマコメント)を記述する必要があります。
このヘッダー情報により、WordPressがテーマを認識し、管理画面でテーマの詳細情報を表示できるようになります。
目次
基本構文
テーマヘッダーは、style.cssファイルの最初にCSSコメント形式で記述します。
/*
Theme Name: [テーマ名]
Description: [テーマの説明]
Author: [作者名]
Version: [バージョン番号]
*/CSS項目一覧と詳細説明
Theme Name(必須)
テーマ名を指定します。この項目は必須で、記述しないとWordPressがテーマとして認識しません。
/*
Theme Name: My Original ThemeCSS- 管理画面の「外観」→「テーマ」で表示される名前
- 日本語での記述も可能
- 重複を避けるため、ユニークな名前を推奨
Theme URI(任意)
テーマの公式ページや配布ページのURLを指定します。
/*
Theme URI: https://example.com/my-themeCSS- テーマの詳細情報や更新情報を提供するページのURL
- 管理画面でクリック可能なリンクとして表示される
Author(任意)
テーマの作者名を指定します。
/*
Author: Taro YamadaCSS- 個人名、チーム名、会社名のいずれでも可
- 日本語での記述も可能
Author URI(任意)
作者のWebサイトURLを指定します。
/*
Author URI: https://taroyamada.comCSS- 作者のポートフォリオサイトや会社サイトのURL
- 管理画面で作者名がクリック可能なリンクになる
Description(任意)
テーマの機能や特徴を簡潔に説明します。
/*
Description: シンプルで使いやすいブログテーマです。CSS- 管理画面のテーマ詳細で表示される
- HTML タグは使用不可
- 改行は自動的に処理される
Version(任意)
テーマのバージョン番号を指定します。
/*
Version: 1.0.0CSS- セマンティックバージョニング(メジャー.マイナー.パッチ形式、例:1.0.0、1.2.1)を推奨
- テーマの更新管理に使用
- キャッシュ対策としても有効
License(任意)
テーマのライセンス名を指定します。
/*
License: GNU General Public License v2 or laterCSS- WordPress.orgで配布する場合はGPL v2以降が必要
- 独自ライセンスでも可能
License URI(任意)
ライセンスの詳細が記載されたURLを指定します。
/*
License URI: https://www.gnu.org/licenses/gpl-2.0.htmlCSS- ライセンス条文の正式なURL
- 利用者がライセンス内容を確認できる
Text Domain(任意)
多言語対応(国際化)で使用するテキストドメインを指定します。
/*
Text Domain: my-themeCSS- 通常はテーマのディレクトリ名と同じにする
- 翻訳ファイル(.moファイル)の識別に使用
__()や_e()関数と連携
Tags(任意)
テーマの特徴や機能をタグで表現します。
/*
Tags: blog, two-columns, right-sidebar, custom-background, custom-colorsCSS- カンマ区切りで複数指定可能
- WordPress.orgテーマディレクトリの検索・分類に使用
- 主要なタグ例:
- レイアウト:
one-column,two-columns,three-columns,left-sidebar,right-sidebar - 色:
black,blue,brown,gray,green,orange,pink,purple,red,silver,tan,white,yellow,dark,light - 機能:
custom-background,custom-colors,custom-header,custom-menu,featured-images
- レイアウト:
Requires at least(任意)
テーマが動作する最低WordPressバージョンを指定します。
/*
Requires at least: 5.0CSS- テーマで使用するWordPress機能の最低要件
- ユーザーの環境チェックに使用
Requires PHP(任意)
テーマが動作する最低PHPバージョンを指定します。
/*
Requires PHP: 7.4CSS- テーマで使用するPHP機能の最低要件
- セキュリティ面からも新しいバージョンを推奨
Template(任意)
子テーマを作成する際に、親テーマのディレクトリ名を指定します。
/*
Template: twentytwentyfourCSS- 子テーマの場合のみ必要
- 親テーマのフォルダ名を正確に記述する必要がある
- 記述しないと通常のテーマとして認識される
Domain Path(任意)
翻訳ファイル(.mo/.po)が格納されているディレクトリのパスを指定します。
/*
Domain Path: /languagesCSS- 多言語対応テーマで使用
- テーマディレクトリからの相対パス
- 通常は /languages フォルダを使用
Update URI(任意)
テーマの更新情報を取得するためのURIを指定します。
/*
Update URI: https://example.com/my-theme-updates/CSS- 独自の更新システムを持つテーマで使用
- WordPress 5.8以降で対応
- 指定することでWordPress.orgからの更新通知を無効化できる
完全記述例
/*
Theme Name: My Awesome Blog Theme
Theme URI: https://example.com/my-awesome-blog-theme
Description: レスポンシブデザインに対応したシンプルで美しいブログテーマです。
Author: Taro Yamada
Author URI: https://taroyamada.com
Version: 1.2.3
License: GNU General Public License v2 or later
License URI: https://www.gnu.org/licenses/gpl-2.0.html
Text Domain: my-awesome-blog-theme
Domain Path: /languages
Tags: blog, two-columns, right-sidebar, custom-background, custom-colors
Requires at least: 5.5
Requires PHP: 7.4
Update URI: https://example.com/my-awesome-blog-theme/updates/
*/CSS注意点とベストプラクティス
必須項目の確認
Theme Nameは必ず記述する- 記述しないとWordPressがテーマを認識しない
文字エンコーディング
- UTF-8での保存を推奨
- 日本語文字も正しく表示される
改行とフォーマット
- 各項目は改行で区切る
- コロン(:)の後にスペースを入れる
- 統一感のあるフォーマットを心がける
WordPress.org配布時の考慮点
- 公式ディレクトリで配布する場合、厳格なレビューがある
- ライセンスはGPL v2以降が必要
- タグは公式で定められたもののみ使用可能
- Theme Nameの重複は許可されず、既存テーマと同じ名前の場合は申請が却下される
テキストドメインの設定
- 国際化対応する場合は必須
- テーマディレクトリ名と統一することを推奨
このテーマヘッダーを正しく記述することで、WordPressテーマとして正常に認識され、管理画面で適切な情報が表示されるようになります。

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