2025年06月29日[日曜日]

WordPressテーマヘッダー完全リファレンス

  • 2025/06/28
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WordPressでオリジナルテーマを作成する際、style.cssファイルの冒頭にテーマヘッダー(テーマコメント)を記述する必要があります。

このヘッダー情報により、WordPressがテーマを認識し、管理画面でテーマの詳細情報を表示できるようになります。

基本構文

テーマヘッダーは、style.cssファイルの最初にCSSコメント形式で記述します。

/*
Theme Name: [テーマ名]
Description: [テーマの説明]
Author: [作者名]
Version: [バージョン番号]
*/

項目一覧と詳細説明

Theme Name(必須)

テーマ名を指定します。この項目は必須で、記述しないとWordPressがテーマとして認識しません。

Theme Name: My Original Theme
  • 管理画面の「外観」→「テーマ」で表示される名前
  • 日本語での記述も可能
  • 重複を避けるため、ユニークな名前を推奨

Theme URI(任意)

テーマの公式ページや配布ページのURLを指定します。

Theme URI: https://example.com/my-theme
  • テーマの詳細情報や更新情報を提供するページのURL
  • 管理画面でクリック可能なリンクとして表示される

Author(任意)

テーマの作者名を指定します。

Author: Taro Yamada
  • 個人名、チーム名、会社名のいずれでも可
  • 日本語での記述も可能

Author URI(任意)

作者のWebサイトURLを指定します。

Author URI: https://taroyamada.com
  • 作者のポートフォリオサイトや会社サイトのURL
  • 管理画面で作者名がクリック可能なリンクになる

Description(任意)

テーマの機能や特徴を簡潔に説明します。

Description: シンプルで使いやすいブログテーマです。
  • 管理画面のテーマ詳細で表示される
  • HTML タグは使用不可
  • 改行は自動的に処理される

Version(任意)

テーマのバージョン番号を指定します。

Version: 1.0.0
  • セマンティックバージョニング(メジャー.マイナー.パッチ形式、例:1.0.0、1.2.1)を推奨
  • テーマの更新管理に使用
  • キャッシュ対策としても有効

License(任意)

テーマのライセンス名を指定します。

License: GNU General Public License v2 or later
  • WordPress.orgで配布する場合はGPL v2以降が必要
  • 独自ライセンスでも可能

License URI(任意)

ライセンスの詳細が記載されたURLを指定します。

License URI: https://www.gnu.org/licenses/gpl-2.0.html
  • ライセンス条文の正式なURL
  • 利用者がライセンス内容を確認できる

Text Domain(任意)

多言語対応(国際化)で使用するテキストドメインを指定します。

Text Domain: my-theme
  • 通常はテーマのディレクトリ名と同じにする
  • 翻訳ファイル(.moファイル)の識別に使用
  • __()_e() 関数と連携

Tags(任意)

テーマの特徴や機能をタグで表現します。

Tags: blog, two-columns, right-sidebar, custom-background, custom-colors
  • カンマ区切りで複数指定可能
  • WordPress.orgテーマディレクトリの検索・分類に使用
  • 主要なタグ例:
    • レイアウト:one-column, two-columns, three-columns, left-sidebar, right-sidebar
    • 色:black, blue, brown, gray, green, orange, pink, purple, red, silver, tan, white, yellow, dark, light
    • 機能:custom-background, custom-colors, custom-header, custom-menu, featured-images

Requires at least(任意)

テーマが動作する最低WordPressバージョンを指定します。

Requires at least: 5.0
  • テーマで使用するWordPress機能の最低要件
  • ユーザーの環境チェックに使用

Requires PHP(任意)

テーマが動作する最低PHPバージョンを指定します。

Requires PHP: 7.4
  • テーマで使用するPHP機能の最低要件
  • セキュリティ面からも新しいバージョンを推奨

Template(任意)

子テーマを作成する際に、親テーマのディレクトリ名を指定します。

Template: twentytwentyfour
  • 子テーマの場合のみ必要
  • 親テーマのフォルダ名を正確に記述する必要がある
  • 記述しないと通常のテーマとして認識される

Domain Path(任意)

翻訳ファイル(.mo/.po)が格納されているディレクトリのパスを指定します。

Domain Path: /languages
  • 多言語対応テーマで使用
  • テーマディレクトリからの相対パス
  • 通常は /languages フォルダを使用

Update URI(任意)

テーマの更新情報を取得するためのURIを指定します。

Update URI: https://example.com/my-theme-updates/
  • 独自の更新システムを持つテーマで使用
  • WordPress 5.8以降で対応
  • 指定することでWordPress.orgからの更新通知を無効化できる

完全記述例

/*
Theme Name: My Awesome Blog Theme
Theme URI: https://example.com/my-awesome-blog-theme
Description: レスポンシブデザインに対応したシンプルで美しいブログテーマです。
Author: Taro Yamada
Author URI: https://taroyamada.com
Version: 1.2.3
License: GNU General Public License v2 or later
License URI: https://www.gnu.org/licenses/gpl-2.0.html
Text Domain: my-awesome-blog-theme
Domain Path: /languages
Tags: blog, two-columns, right-sidebar, custom-background, custom-colors
Requires at least: 5.5
Requires PHP: 7.4
Update URI: https://example.com/my-awesome-blog-theme/updates/
*/

注意点とベストプラクティス

必須項目の確認

  • Theme Name は必ず記述する
  • 記述しないとWordPressがテーマを認識しない

文字エンコーディング

  • UTF-8での保存を推奨
  • 日本語文字も正しく表示される

改行とフォーマット

  • 各項目は改行で区切る
  • コロン(:)の後にスペースを入れる
  • 統一感のあるフォーマットを心がける

WordPress.org配布時の考慮点

  • 公式ディレクトリで配布する場合、厳格なレビューがある
  • ライセンスはGPL v2以降が必要
  • タグは公式で定められたもののみ使用可能
  • Theme Nameの重複は許可されず、既存テーマと同じ名前の場合は申請が却下される

テキストドメインの設定

  • 国際化対応する場合は必須
  • テーマディレクトリ名と統一することを推奨

このテーマヘッダーを正しく記述することで、WordPressテーマとして正常に認識され、管理画面で適切な情報が表示されるようになります。

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