2025年10月16日[木曜日]

開発環境とテーマの基盤を整える – WordPress実践制作【WPCafe編】

  • 2025/10/15
  • PRACTICE
  • カフェサイトを作ろう
  • 0comments
  • 52views
  • 約6分で読めます
  • 2

前回、サンプルサイト「WPCafe」の全体像と、これから学べる技術について紹介しました。今回からいよいよ実際の制作に入ります。

今回の目標は、オリジナルテーマのサイトを表示することです。これまで学んできた基礎をベースに、実際のサンプルサイトを構築していきましょう。

これまでの学習と同様にLocalとVS Codeを使って、ローカル環境(自分のパソコン上)でサイトを構築していきます。

この実践シリーズで大切にしたい3つのこと

このシリーズでは、ただ手順をなぞるだけの学習ではなく、以下の3つを大切にしながら進めていきます。

1. 「なぜ?」を理解する

「推奨されているから」「手順に書いてあるから」ではなく、その理由や意図を理解した上で進めましょう。

「だったらそうした方がいいね」と自分の意志で判断できるようになることが重要です。

なぜこのタイミングでこの設定をするのか。なぜこのプラグインが必要なのか。一つ一つの「なぜ?」を理解することで、別のプロジェクトでも応用できる力が身につきます。

2. 実際に手を動かす

読むだけでは身につきません。必ず自分の手で実際にコードを書き、設定を行い、動作を確認しましょう。エラーが出たら調べる。思った通りに動かなかったら原因を探る。その試行錯誤のプロセスこそが、本当の学びです。

3. コピーではなく自分で作る

この記事では「wpcafe.local」「カフェテーマ」といった具体例を示しますが、全く同じものを作る必要はありません

  • URLを「mysite.local」に変えてみる
  • サイト名を「MyRestaurant」にしてみる
  • 自分の好きなテーマ名をつけてみる

記事の流れや構造は参考にしつつ、細かい内容は自分で決めてOKです。むしろ、自分なりのアレンジを加えることで、より深く理解できるはずです。

完全なコピーを作るのではなく、この記事を「ガイド」として、あなた自身のオリジナルサイトを作り上げていきましょう。

開発環境について

この記事では、LocalやVS Codeなどの開発環境がすでに整っていることを前提に進めます。まだ環境構築が済んでいない方は、以下の過去記事を参考に準備してください。

参考①
参考②
story_10

それでは、開発環境の準備が整っていることを前提に、学習を進めていきましょう。

Localでサイトを作成する

まずは、Localで新しいWordPressサイトを作成します。

  1. Localを起動し、+ボタンをクリック
  2. Create a new siteを選択しContinueをクリック
  3. サイト名「wpcafe」を入力
    Advanced optionsを展開しLocal site pathで場所を選択しContinueをクリック
  4. Preferredを選択しContinueをクリック
  5. ユーザー名パスワードを入力。Advanced optionsを展開し日本語を選択。
  6. ADD SITEをクリックして作成完了

作成が完了すると、サイトのローカルURLは http://wpcafe.local になります。

オリジナルテーマの作成

テーマファイルの作成

WordPressのテーマは、最低限2つのファイルがあれば動作します。今回はシンプルな構成からスタートしましょう。

Localでサイトを右クリックし、「Open site shell」を選択してターミナルを開くか、VS Codeでサイトのフォルダを開きます。

テーマフォルダは以下の場所に作成します。

app/public/wp-content/themes/cafe-theme/

このcafe-themeフォルダ内に、以下の2つのファイルを作成してください。

app
└── public
    └── wp-content
        └── themes
            └── cafe-theme
               ├── index.php
               └── style.css

テーマヘッダーの記述

style.cssの冒頭に、テーマ情報を記述します。これがないとWordPressはテーマとして認識しません。

style.css
/*
Theme Name: カフェテーマ
*/
CSS

index.phpは空のままで構いません。次回以降、実際のコンテンツを表示する際に記述していきます。

テーマの有効化

  1. ブラウザで http://wpcafe.local/wp-admin にアクセス
  2. 設定したユーザー名とパスワードでログイン
  3. ダッシュボード左メニューから 外観テーマ を選択
  4. 「カフェテーマ」 が表示されているので、有効化をクリック

これで、自作のオリジナルテーマが有効になりました。

WordPressの初期設定

制作を始める前に、WordPressの初期状態を整えておきましょう。

不要なサンプルコンテンツの削除

WordPressをインストールすると、デフォルトでいくつかのサンプルコンテンツが作成されています。これらは不要なので削除します。

  1. 投稿の削除:
    • 投稿投稿一覧から「Hello world!」を削除
  2. 固定ページの削除:
    • 固定ページ固定ページ一覧から「サンプルページ」を削除

一般設定

サイトの基本情報を設定します。

  1. 設定一般を開く
  2. サイトのタイトル: 「WPCafe」(または任意のタイトル)
  3. キャッチフレーズ: 「心地よい時間を過ごせる街のカフェ」(または任意のキャッチフレーズ)
  4. 変更を保存をクリック

トップページの設定

WordPressはデフォルトで投稿一覧をトップページに表示しますが、今回は固定ページをトップページとして使用します。

なぜ固定ページをトップページにするのか?

WordPressは元々ブログシステムとして開発されたため、デフォルトでは「最新の投稿」一覧がトップページに表示されます。

しかし、今回のカフェサイトのような企業サイトや店舗サイトでは、ブログ一覧ではなく、デザインされたトップページが必要です。訪問者に伝えたい情報(営業時間、アクセス、コンセプトなど)を自由にレイアウトしたページをトップに置くため、固定ページを使用します。

固定ページの作成
  • 固定ページ新規追加
  • タイトルに「HOME」と入力
  • 本文は空のままで公開をクリック
表示設定
  • 設定表示設定を開く
  • ホームページの表示「固定ページ」 を選択
  • ホームページのドロップダウンから 「HOME」 を選択
  • 変更を保存をクリック

メディア設定

画像ファイルの管理をシンプルにするため、年月ベースのフォルダ整理をオフにします。

  1. 設定メディアを開く
  2. アップロードしたファイルを年月ベースのフォルダーに整理のチェックを外す
  3. 変更を保存をクリック

この設定をオフにする理由は、画像のパス(img要素のsrc属性)に年月が含まれてしまうのを避けるためです。年月が含まれると、いつアップロードしたのかが画像のURLから分かってしまいます。

プラグインの導入

本格的な制作を始める前に、3つのプラグインを導入します。これらは必須ではありませんが、制作の初期段階で導入しておくことが重要です。

  1. EWWW Image Optimizer – 画像の最適化
  2. FileBird Lite – メディアライブラリの整理
  3. WP Multibyte Patch – 日本語環境の最適化

なぜ初期段階で導入するのか

WP Multibyte Patchは、日本語サイトを構築する際にはほぼ必須のプラグインです。ファイル名が日本語でも正しく処理されたり、日本語検索が正常に動作するようになります。

このプラグインを導入しないまま制作を進めると、想定外の不具合にハマる可能性があります。その原因が「日本語」だったりするため、最初に導入しておくことで余計なトラブルを避けられます。

EWWW Image OptimizerFileBird Liteは、どちらもメディアに関するプラグインです。現時点ではまだ1つもメディアをアップロードしていません。つまり、プラグインを導入した後にアップロードするメディアすべてに自動的に適用されます。

もしメディアアップロード後にこれらのプラグインを導入すると、すでにアップロード済みのメディアに対して整理したり、WebPに変換したりする作業が必要になってしまいます。最初に入れておけば、そうした手間が一切かかりません。

インストール手順

  1. プラグイン新規追加を開く
  2. 各プラグイン名で検索
  3. 今すぐインストール有効化をクリック

EWWW Image Optimizerの設定

このプラグインだけ、少し設定が必要です。

  1. 設定EWWW Image Optimizerを開く
  2. 基本タブで以下をチェック
    • メタデータを削除にチェックを入れる
  3. 変換タブを開く
    • WebP 変換 を有効化

変更を保存をクリックしてください。

メタデータを削除する理由

写真ファイルには、Exif情報と呼ばれるメタデータが記録されています。これには撮影日時、カメラの機種、撮影場所(GPS情報)などが含まれることがあります。

これらの情報がそのままWeb上に公開されると、プライバシーやセキュリティ上の問題につながる可能性があります。特にGPS情報が含まれていると、撮影場所が特定されてしまいます。

そのため、画像をアップロードする際に自動的にメタデータを削除する設定を有効にしておきます。

WebPとは?

WebP(ウェッピー)は、Googleが開発した次世代の画像フォーマットです。従来のJPEGPNGと比べて、同じ画質でもファイルサイズを大幅に削減できるため、ページの読み込み速度が向上します。

現在ではほとんどの主要ブラウザがWebPに対応しており、Webサイトのパフォーマンス改善には欠かせない技術となっています。

その他のプラグイン

  • FileBird Lite: 現時点では特に設定する必要はありません。メディアをアップロードする際に、フォルダで整理できるようになります。
  • WP Multibyte Patch: 設定は不要です。有効化するだけで日本語環境が最適化されます。

表示の確認

ここまでの設定が完了したら、実際にサイトを表示して確認してみましょう。

  1. ブラウザで http://wpcafe.local を開く
  2. 真っ白なページが表示されるはずです(index.phpが空のため)

これで、オリジナルテーマが正しく有効化され、WordPressが動作していることが確認できました。

今回のまとめ

今回は、ローカル環境でオリジナルテーマを作成し、WordPressサイトの基本設定を行いました。

実施したこと:

  • Localでサイト(http://wpcafe.local)を作成
  • 最小構成のオリジナルテーマを作成・有効化
  • WordPressの初期設定(一般設定、表示設定、メディア設定)
  • 必要なプラグインのインストールと設定
  • サイトの表示確認

まだ真っ白なページですが、これが今後のすべての基盤となります。次回からは、実際にコンテンツを表示し、サイトの構造を作り込んでいきます。

次回予告

次回は、固定ページを複数作成し、ナビゲーションメニューを実装します。サイトの基本的な構造を整え、ページ間を移動できるようにしていきます。

実際に手を動かしながら、一歩ずつ進めていきましょう。ここから、サイトがどんどん形になっていく過程を楽しんでください。

この記事の評価をお願いします

評価をすると「既読」となり、まだ読んでいない記事を区別できます。

この投稿をシェアする

コメントを残す

CAPTCHA



サンプルサイト「WPCafe」で学ぶ実践WordPressテクニック

サンプルサイト「WPCafe」で学ぶ実践WordPressテクニック  PRACTICE

WordPress学習の実践編がスタート。架空のカフェサイト「WPCAFE」を題材に、一から制作プロセスを解説します。すべてをダッシュボードで管理できる設計、カスタム投稿タイプ、自作お問い合わせフォーム、Instagramフィード連携など、実務で必要な技術を習得。運用しやすいサイト制作のノウハウを学びましょう。

  • 2025/10/15
  • 0comments
  • 34views

サイト構成とテンプレートの準備 – WordPress実践制作【WPCafe編】

サイト構成とテンプレートの準備 – WordPress実践制作【WPCafe編】  PRACTICE

サイトの骨組みとなるページ構成を整えます。固定ページを作成し、それぞれに対応するテンプレートファイルを準備。WordPressのテンプレート階層を活用して、各ページに専用テンプレートを割り当てる方法を学びます。

  • 2025/10/15
  • 0comments
  • 18views

STAY CONNECTED

wp-ch Admin

現役のフリーランスエンジニアがWordPressによるWebサイト構築を基礎から実践テクニックまで徹底解説します。

たくさんの方がフォローしてくれています。あなたもぜひ、情報を受け取ってください。

STORY|ストーリー

WordPressを効率よく確実に学ぶためには、学習の順序が大切です。知識が自然に積み上がるよう、学習ステップに沿って記事を順番に並べています。

学習ストーリー第40話まで掲載中

全ストーリーを見る

PRACTICE|カフェ編

カフェを題材にした本格的なサイト構築を公開中。実践を通してサイトの構築方法を学べます。

サンプルサイト:WPCafe

実践ストーリー第3話まで掲載中

全ストーリーを見る