参考①
Localのインストールと初回サイト作成 – WordPress学習環境の構築
WordPressの学習環境としてLocalのダウンロードからインストール、初回テストサイト作成まで完全解説します。わずか数分で完成し、環境構築の悩みから解放されて純粋にWordPressの学習に集中できるようになります。初心者が迷いがちなサイト名の付け方や設定のポイントも丁寧に説明しています。
前回、サンプルサイト「WPCafe」の全体像と、これから学べる技術について紹介しました。今回からいよいよ実際の制作に入ります。
今回の目標は、オリジナルテーマのサイトを表示することです。これまで学んできた基礎をベースに、実際のサンプルサイトを構築していきましょう。
これまでの学習と同様にLocalとVS Codeを使って、ローカル環境(自分のパソコン上)でサイトを構築していきます。
目次
このシリーズでは、ただ手順をなぞるだけの学習ではなく、以下の3つを大切にしながら進めていきます。
「推奨されているから」「手順に書いてあるから」ではなく、その理由や意図を理解した上で進めましょう。
「だったらそうした方がいいね」と自分の意志で判断できるようになることが重要です。
なぜこのタイミングでこの設定をするのか。なぜこのプラグインが必要なのか。一つ一つの「なぜ?」を理解することで、別のプロジェクトでも応用できる力が身につきます。
読むだけでは身につきません。必ず自分の手で実際にコードを書き、設定を行い、動作を確認しましょう。エラーが出たら調べる。思った通りに動かなかったら原因を探る。その試行錯誤のプロセスこそが、本当の学びです。
この記事では「wpcafe.local」「カフェテーマ」といった具体例を示しますが、全く同じものを作る必要はありません。
MyRestaurant
」にしてみる記事の流れや構造は参考にしつつ、細かい内容は自分で決めてOKです。むしろ、自分なりのアレンジを加えることで、より深く理解できるはずです。
完全なコピーを作るのではなく、この記事を「ガイド」として、あなた自身のオリジナルサイトを作り上げていきましょう。
この記事では、LocalやVS Codeなどの開発環境がすでに整っていることを前提に進めます。まだ環境構築が済んでいない方は、以下の過去記事を参考に準備してください。
それでは、開発環境の準備が整っていることを前提に、学習を進めていきましょう。
まずは、Localで新しいWordPressサイトを作成します。
作成が完了すると、サイトのローカルURLは http://wpcafe.local になります。
WordPressのテーマは、最低限2つのファイルがあれば動作します。今回はシンプルな構成からスタートしましょう。
Localでサイトを右クリックし、「Open site shell」を選択してターミナルを開くか、VS Codeでサイトのフォルダを開きます。
テーマフォルダは以下の場所に作成します。
app/public/wp-content/themes/cafe-theme/
このcafe-themeフォルダ内に、以下の2つのファイルを作成してください。
app
└── public
└── wp-content
└── themes
└── cafe-theme
├── index.php
└── style.css
style.css
の冒頭に、テーマ情報を記述します。これがないとWordPressはテーマとして認識しません。
/*
Theme Name: カフェテーマ
*/
CSSindex.phpは空のままで構いません。次回以降、実際のコンテンツを表示する際に記述していきます。
これで、自作のオリジナルテーマが有効になりました。
制作を始める前に、WordPressの初期状態を整えておきましょう。
WordPressをインストールすると、デフォルトでいくつかのサンプルコンテンツが作成されています。これらは不要なので削除します。
サイトの基本情報を設定します。
WordPressはデフォルトで投稿一覧をトップページに表示しますが、今回は固定ページをトップページとして使用します。
WordPressは元々ブログシステムとして開発されたため、デフォルトでは「最新の投稿」一覧がトップページに表示されます。
しかし、今回のカフェサイトのような企業サイトや店舗サイトでは、ブログ一覧ではなく、デザインされたトップページが必要です。訪問者に伝えたい情報(営業時間、アクセス、コンセプトなど)を自由にレイアウトしたページをトップに置くため、固定ページを使用します。
画像ファイルの管理をシンプルにするため、年月ベースのフォルダ整理をオフにします。
この設定をオフにする理由は、画像のパス(img要素のsrc属性)に年月が含まれてしまうのを避けるためです。年月が含まれると、いつアップロードしたのかが画像のURLから分かってしまいます。
本格的な制作を始める前に、3つのプラグインを導入します。これらは必須ではありませんが、制作の初期段階で導入しておくことが重要です。
EWWW Image Optimizer
– 画像の最適化FileBird Lite
– メディアライブラリの整理WP Multibyte Patch
– 日本語環境の最適化WP Multibyte Patch
は、日本語サイトを構築する際にはほぼ必須のプラグインです。ファイル名が日本語でも正しく処理されたり、日本語検索が正常に動作するようになります。
このプラグインを導入しないまま制作を進めると、想定外の不具合にハマる可能性があります。その原因が「日本語」だったりするため、最初に導入しておくことで余計なトラブルを避けられます。
EWWW Image Optimizer
とFileBird Lite
は、どちらもメディアに関するプラグインです。現時点ではまだ1つもメディアをアップロードしていません。つまり、プラグインを導入した後にアップロードするメディアすべてに自動的に適用されます。
もしメディアアップロード後にこれらのプラグインを導入すると、すでにアップロード済みのメディアに対して整理したり、WebP
に変換したりする作業が必要になってしまいます。最初に入れておけば、そうした手間が一切かかりません。
このプラグインだけ、少し設定が必要です。
写真ファイルには、Exif情報と呼ばれるメタデータが記録されています。これには撮影日時、カメラの機種、撮影場所(GPS情報)などが含まれることがあります。
これらの情報がそのままWeb上に公開されると、プライバシーやセキュリティ上の問題につながる可能性があります。特にGPS情報が含まれていると、撮影場所が特定されてしまいます。
そのため、画像をアップロードする際に自動的にメタデータを削除する設定を有効にしておきます。
WebP
(ウェッピー)は、Googleが開発した次世代の画像フォーマットです。従来のJPEG
やPNG
と比べて、同じ画質でもファイルサイズを大幅に削減できるため、ページの読み込み速度が向上します。
現在ではほとんどの主要ブラウザがWebP
に対応しており、Webサイトのパフォーマンス改善には欠かせない技術となっています。
FileBird Lite
: 現時点では特に設定する必要はありません。メディアをアップロードする際に、フォルダで整理できるようになります。WP Multibyte Patch
: 設定は不要です。有効化するだけで日本語環境が最適化されます。ここまでの設定が完了したら、実際にサイトを表示して確認してみましょう。
これで、オリジナルテーマが正しく有効化され、WordPressが動作していることが確認できました。
今回は、ローカル環境でオリジナルテーマを作成し、WordPressサイトの基本設定を行いました。
実施したこと:
まだ真っ白なページですが、これが今後のすべての基盤となります。次回からは、実際にコンテンツを表示し、サイトの構造を作り込んでいきます。
次回は、固定ページを複数作成し、ナビゲーションメニューを実装します。サイトの基本的な構造を整え、ページ間を移動できるようにしていきます。
実際に手を動かしながら、一歩ずつ進めていきましょう。ここから、サイトがどんどん形になっていく過程を楽しんでください。
WordPress学習の実践編がスタート。架空のカフェサイト「WPCAFE」を題材に、一から制作プロセスを解説します。すべてをダッシュボードで管理できる設計、カスタム投稿タイプ、自作お問い合わせフォーム、Instagramフィード連携など、実務で必要な技術を習得。運用しやすいサイト制作のノウハウを学びましょう。
サイトの骨組みとなるページ構成を整えます。固定ページを作成し、それぞれに対応するテンプレートファイルを準備。WordPressのテンプレート階層を活用して、各ページに専用テンプレートを割り当てる方法を学びます。
WordPressを効率よく確実に学ぶためには、学習の順序が大切です。知識が自然に積み上がるよう、学習ステップに沿って記事を順番に並べています。
学習ストーリー第40話まで掲載中