2025年06月27日[金曜日]

Webサイトを構築する5つの方法を現実的に比較!

  • 2025/06/26
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  • Webサイトの基礎
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前回までの記事 で、ブラウザの仕組み(HTML、CSS、JavaScript、画像の4要素)とWebサイト制作の全体像(5つのステップ)について学んできました。

今回は、実際にWebサイトを構築する5つの具体的な方法を比較検討します。

単純に5つを並べるのではなく、それぞれの限界を明らかにしながら、最終的に最適な選択肢を見つける旅として進めていきます。

5つの選択肢とその関係性

Webサイトを作る方法は、大きく分けて5つあります。これらは独立した選択肢ではなく、それぞれが前の選択肢の限界を解決する関係にあります。

5つの方法の位置づけ

  1. ノーコードツール:最も手軽で学習コストが低い
  2. CMS既存テンプレート使用:ノーコードよりもカスタマイズ性がある
  3. HTML直接コーディング:完全オリジナルでカスタマイズ可能
  4. CMSテンプレート自作:HTML直接の自由度+コンテンツ管理機能
  5. プログラミング言語:コンテンツ管理機能ごと自作する最新技術

それでは、それぞれの選択肢を「どこまでできるか」「どこで限界を感じるか」という視点で見ていきましょう。

選択肢1:ノーコードツール – 最も手軽だが…

どんな方法?

代表的なサービス: Wix、Jimdo、ペライチ、STUDIO、Squarespace

ブラウザ上でドラッグ&ドロップ操作により、HTMLやCSSを直接書くことなくWebサイトを作成できるサービスです。

優れている点

技術的ハードルが最も低い

  • HTML、CSSの知識が不要
  • 視覚的な操作で直感的に作業可能
  • 豊富なテンプレートが用意されている

すぐに始められる

  • アカウント登録後、即座に制作開始可能
  • サーバー設定などの面倒な作業が不要
  • 自動的にスマホ対応される

しかし、こんな限界がある

カスタマイズの壁

  • 「この部分だけ少し変更したい」ができない
  • テンプレートの制約を超えた変更は不可能
  • 独自の機能追加はほぼできない

運用上の問題

  • サービス終了のリスク
  • 他の方法への移行が極めて困難

差別化の困難さ

  • 同じサービスを使った他サイトと似てしまう
  • ブランディングの制約が大きい

「もう少し自由にカスタマイズしたい…」そう感じたら、次の選択肢を検討する時期です。

選択肢2:CMS既存テンプレート使用 – ノーコードの限界を超えるが…

どんな方法?

代表的なCMS: WordPress、Drupal、Joomla

CMS(コンテンツ管理システム)の既存テンプレートを使用してサイトを構築する方法です。ノーコードツールよりも自由度が高く、プラグインで機能拡張も可能です。

ノーコードツールの限界を解決

カスタマイズ性の向上

  • CSS編集により、ある程度のデザイン変更が可能
  • プラグインによる機能拡張が豊富
  • テンプレートの種類が圧倒的に多い

コスト問題の解決

  • オープンソースのため、サービス終了リスクがない

コンテンツ管理の改善

  • 管理画面からの簡単なコンテンツ更新
  • 複数人での運用が可能
  • ブログ機能などが標準装備

しかし、新たな限界が見えてくる

テンプレートの制約

  • 根本的なデザイン変更は困難
  • 「このテンプレートを使っている」ことがわかってしまう
  • レイアウトの大幅な変更はできない

パフォーマンスの問題

  • 使わない機能も含まれるため重くなりがち
  • プラグインが増えると動作が不安定になる

技術的な制約

  • 他の人が作ったテンプレートの仕様に依存する

「完全にオリジナルのデザインを作りたい…」そう感じたら、次の選択肢を検討する時期です。

選択肢3:HTML直接コーディング – 完全自由だが…

どんな方法?

テキストエディタを使用して、HTML、CSS、JavaScriptファイルを直接作成し、サーバーにアップロードしてWebサイトを公開する方法です。

CMSテンプレートの限界を解決

完全な自由度

  • デザイン・機能に一切の制限がない
  • 表示速度を最適化できる
  • 独自の機能実装が可能

パフォーマンス問題の解決

  • 必要な機能だけを実装するため軽量
  • 表示速度を極限まで最適化可能

セキュリティ問題への対応

  • 不要なプラグインを使わないため攻撃面が減る
  • 自分でコードを管理するため脆弱性を把握しやすい

しかし、大きな問題が残る

更新の困難さ

  • テキストや画像の変更にもコーディングが必要
  • クライアントが自分で更新することは不可能
  • ブログ投稿のような定期更新が現実的でない

制作・保守の負担

  • 全ての機能を一から実装する必要
  • フォーム処理やデータベース連携が困難
  • 継続的なメンテナンス負担が大きい

「オリジナルデザインは実現できたけど、コンテンツ更新が大変すぎる…」そう感じたら、次の選択肢が解決策です。

選択肢4:CMSテンプレート自作 – すべての問題を解決

どんな方法?

CMSを使用しつつ、テンプレート部分を完全にオリジナルで制作する方法です。これまでの全ての問題を解決する、最もバランスの取れた選択肢です。

前の選択肢の限界をすべて解決

ノーコードツールの限界を解決

  • 完全オリジナルデザインが可能
  • 独自機能の実装が可能
  • 外部サービスへの依存なし

CMSテンプレート使用の限界を解決

  • テンプレートの制約が一切ない
  • 軽量で高速な実装が可能
  • セキュリティを自分でコントロール

HTML直接コーディングの限界を解決

  • クライアントが簡単にコンテンツ更新可能
  • 管理画面もカスタマイズ可能
  • ブログやニュース機能も簡単に実装

この方法の特徴

完全な自由度とコンテンツ管理の両立

  • HTML直接コーディングの「完全な自由度」
  • CMSの「簡単なコンテンツ更新」
  • この2つを同時に実現できる唯一の方法

長期的な最適解

  • 学習時間と制作時間は必要だが、長期的にはコストパフォーマンスが最も高い
  • 将来的な機能拡張や仕様変更に柔軟に対応可能
  • 技術的な独立性を保ちながら運用が容易

唯一のハードル

高い技術スキルが必要

  • フロントエンド・バックエンド両方の知識が必要
  • CMS特有の開発手法の習得が必要
  • 初期の制作期間が長い

しかし、一度習得すれば全ての問題が解決されます。

選択肢5:プログラミング – 高機能だが過剰?

どんな方法?

代表的なプログラミング: React、Next.js、Vue.js、Nuxt.js

最新のJavaScript技術を使用して、従来のWebサイトの概念を超えた、アプリケーションレベルの高機能サイトを構築する方法です。

CMSテンプレート自作を超える点

最高レベルのパフォーマンス

  • 極めて高速な表示速度
  • 最新のWeb技術による最適化
  • 大規模サイトにも対応可能

現代的なユーザー体験

  • アプリのような滑らかな操作感
  • 高度なインタラクション機能
  • 最新のUX設計に対応

しかし、多くの場合は過剰

オーバーエンジニアリングのリスク

  • 一般的なWebサイトには過剰な技術
  • 複雑性による保守コストの増大
  • 学習コストが継続的に発生

極めて高い技術的ハードル

  • 最新技術の深い理解が必要
  • 技術の変化が早く継続的な学習が必要
  • エラーの解決に高度な知識が必要

一般的なWebサイト制作には、CMSテンプレート自作で十分すぎる品質を実現できます。

結論:なぜCMSテンプレート自作が最適解なのか

各選択肢の比較まとめ

項目ノーコードCMS既存テンプレHTML直接CMSテンプレ自作プログラミング
カスタマイズ性××
コンテンツ更新×
パフォーマンス
技術独立性×
開発工数×
学習コスト×

CMSテンプレート自作が最適解である理由

1. すべての問題を解決する唯一の方法

  • ノーコードツールの「カスタマイズ制限」を解決
  • CMSテンプレート使用の「デザイン制約」を解決
  • HTML直接コーディングの「更新困難」を解決
  • プログラミングの「過剰な複雑性」を回避

2. 現実的なバランスの良さ

  • 学習コストは高いが、一度習得すれば永続的に使える
  • 初期制作期間は長いが、長期的なコストパフォーマンスが最高
  • 高い技術力が必要だが、その分だけ高品質なサイトを制作可能

3. プロフェッショナルな制作現場の標準

  • 多くのWeb制作会社が採用している方法
  • クライアントの要望と現実的な運用を両立
  • 品質・機能・保守性のバランスが最も優れている

最終的な選択指針

  • すぐに簡単なサイトが欲しい → ノーコードツール
  • 効率重視で基本的な更新機能が必要 → CMSテンプレート使用
  • 完全オリジナルで更新は稀 → HTML直接コーディング
  • 高品質で長期運用を前提とするCMSテンプレート自作
  • 最新技術で高機能アプリを作りたい → プログラミング

次回予告:なぜWordPressでCMSテンプレート自作を学ぶのか?

CMS(テンプレート自作)が最もバランスの取れた選択肢であることがわかりました。

しかし、「CMSテンプレート自作」と言っても、様々なCMSが存在します。なぜWordPressを選ぶのでしょうか?

WordPressを選ぶ理由

1. 圧倒的な市場シェア

  • 全世界のWebサイトの約43%がWordPressで構築されている
  • CMSの中では60%以上のシェアを占める圧倒的な存在
  • 日本国内でも最も多く使われているCMS

2. 学習・就職・案件受注に最も有利

  • Web制作の求人の多くがWordPressスキルを求めている
  • フリーランス案件もWordPress関連が最も多い
  • 一度覚えれば、多くの案件に対応可能

3. 豊富な情報とコミュニティ

  • 日本語の学習資料が最も充実している
  • 困った時に解決策を見つけやすい
  • 大きなコミュニティによる継続的なサポート

4. 柔軟性と拡張性

  • シンプルなサイトから複雑なWebアプリまで対応可能
  • プラグインによる機能拡張が豊富
  • カスタマイズの自由度が高い

次回からは、実際にWordPressでのオリジナルテンプレート制作を学んでいきます。

「オリジナリティ」「運用のしやすさ」「拡張性」「コストパフォーマンス」のすべてを実現する、本格的なWebサイト制作の世界へ足を踏み入れましょう。

一見難しそうに見えるWordPressテンプレート自作ですが、段階的に学んでいけば必ず習得できます。プロフェッショナルなWeb制作者への第一歩を、一緒に踏み出していきましょう!