Webサイトを構築する5つの方法を現実的に比較!
- 2025/06/26
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- Webサイトの基礎
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前回までの記事 で、ブラウザの仕組み(HTML、CSS、JavaScript、画像の4要素)とWebサイト制作の全体像(5つのステップ)について学んできました。
今回は、実際にWebサイトを構築する5つの具体的な方法を比較検討します。
単純に5つを並べるのではなく、それぞれの限界を明らかにしながら、最終的に最適な選択肢を見つける旅として進めていきます。
目次
5つの選択肢とその関係性
Webサイトを作る方法は、大きく分けて5つあります。これらは独立した選択肢ではなく、それぞれが前の選択肢の限界を解決する関係にあります。
5つの方法の位置づけ
- ノーコードツール:最も手軽で学習コストが低い
- CMS既存テンプレート使用:ノーコードよりもカスタマイズ性がある
- HTML直接コーディング:完全オリジナルでカスタマイズ可能
- CMSテンプレート自作:HTML直接の自由度+コンテンツ管理機能
- プログラミング言語:コンテンツ管理機能ごと自作する最新技術
それでは、それぞれの選択肢を「どこまでできるか」「どこで限界を感じるか」という視点で見ていきましょう。
選択肢1:ノーコードツール – 最も手軽だが…
どんな方法?
代表的なサービス: Wix、Jimdo、ペライチ、STUDIO、Squarespace
ブラウザ上でドラッグ&ドロップ操作により、HTMLやCSSを直接書くことなくWebサイトを作成できるサービスです。
優れている点
技術的ハードルが最も低い
- HTML、CSSの知識が不要
- 視覚的な操作で直感的に作業可能
- 豊富なテンプレートが用意されている
すぐに始められる
- アカウント登録後、即座に制作開始可能
- サーバー設定などの面倒な作業が不要
- 自動的にスマホ対応される
しかし、こんな限界がある
カスタマイズの壁
- 「この部分だけ少し変更したい」ができない
- テンプレートの制約を超えた変更は不可能
- 独自の機能追加はほぼできない
運用上の問題
- サービス終了のリスク
- 他の方法への移行が極めて困難
差別化の困難さ
- 同じサービスを使った他サイトと似てしまう
- ブランディングの制約が大きい
「もう少し自由にカスタマイズしたい…」そう感じたら、次の選択肢を検討する時期です。
選択肢2:CMS既存テンプレート使用 – ノーコードの限界を超えるが…
どんな方法?
代表的なCMS: WordPress、Drupal、Joomla
CMS(コンテンツ管理システム)の既存テンプレートを使用してサイトを構築する方法です。ノーコードツールよりも自由度が高く、プラグインで機能拡張も可能です。
ノーコードツールの限界を解決
カスタマイズ性の向上
- CSS編集により、ある程度のデザイン変更が可能
- プラグインによる機能拡張が豊富
- テンプレートの種類が圧倒的に多い
コスト問題の解決
- オープンソースのため、サービス終了リスクがない
コンテンツ管理の改善
- 管理画面からの簡単なコンテンツ更新
- 複数人での運用が可能
- ブログ機能などが標準装備
しかし、新たな限界が見えてくる
テンプレートの制約
- 根本的なデザイン変更は困難
- 「このテンプレートを使っている」ことがわかってしまう
- レイアウトの大幅な変更はできない
パフォーマンスの問題
- 使わない機能も含まれるため重くなりがち
- プラグインが増えると動作が不安定になる
技術的な制約
- 他の人が作ったテンプレートの仕様に依存する
「完全にオリジナルのデザインを作りたい…」そう感じたら、次の選択肢を検討する時期です。
選択肢3:HTML直接コーディング – 完全自由だが…
どんな方法?
テキストエディタを使用して、HTML、CSS、JavaScriptファイルを直接作成し、サーバーにアップロードしてWebサイトを公開する方法です。
CMSテンプレートの限界を解決
完全な自由度
- デザイン・機能に一切の制限がない
- 表示速度を最適化できる
- 独自の機能実装が可能
パフォーマンス問題の解決
- 必要な機能だけを実装するため軽量
- 表示速度を極限まで最適化可能
セキュリティ問題への対応
- 不要なプラグインを使わないため攻撃面が減る
- 自分でコードを管理するため脆弱性を把握しやすい
しかし、大きな問題が残る
更新の困難さ
- テキストや画像の変更にもコーディングが必要
- クライアントが自分で更新することは不可能
- ブログ投稿のような定期更新が現実的でない
制作・保守の負担
- 全ての機能を一から実装する必要
- フォーム処理やデータベース連携が困難
- 継続的なメンテナンス負担が大きい
「オリジナルデザインは実現できたけど、コンテンツ更新が大変すぎる…」そう感じたら、次の選択肢が解決策です。
選択肢4:CMSテンプレート自作 – すべての問題を解決
どんな方法?
CMSを使用しつつ、テンプレート部分を完全にオリジナルで制作する方法です。これまでの全ての問題を解決する、最もバランスの取れた選択肢です。
前の選択肢の限界をすべて解決
ノーコードツールの限界を解決
- 完全オリジナルデザインが可能
- 独自機能の実装が可能
- 外部サービスへの依存なし
CMSテンプレート使用の限界を解決
- テンプレートの制約が一切ない
- 軽量で高速な実装が可能
- セキュリティを自分でコントロール
HTML直接コーディングの限界を解決
- クライアントが簡単にコンテンツ更新可能
- 管理画面もカスタマイズ可能
- ブログやニュース機能も簡単に実装
この方法の特徴
完全な自由度とコンテンツ管理の両立
- HTML直接コーディングの「完全な自由度」
- CMSの「簡単なコンテンツ更新」
- この2つを同時に実現できる唯一の方法
長期的な最適解
- 学習時間と制作時間は必要だが、長期的にはコストパフォーマンスが最も高い
- 将来的な機能拡張や仕様変更に柔軟に対応可能
- 技術的な独立性を保ちながら運用が容易
唯一のハードル
高い技術スキルが必要
- フロントエンド・バックエンド両方の知識が必要
- CMS特有の開発手法の習得が必要
- 初期の制作期間が長い
しかし、一度習得すれば全ての問題が解決されます。
選択肢5:プログラミング – 高機能だが過剰?
どんな方法?
代表的なプログラミング: React、Next.js、Vue.js、Nuxt.js
最新のJavaScript技術を使用して、従来のWebサイトの概念を超えた、アプリケーションレベルの高機能サイトを構築する方法です。
CMSテンプレート自作を超える点
最高レベルのパフォーマンス
- 極めて高速な表示速度
- 最新のWeb技術による最適化
- 大規模サイトにも対応可能
現代的なユーザー体験
- アプリのような滑らかな操作感
- 高度なインタラクション機能
- 最新のUX設計に対応
しかし、多くの場合は過剰
オーバーエンジニアリングのリスク
- 一般的なWebサイトには過剰な技術
- 複雑性による保守コストの増大
- 学習コストが継続的に発生
極めて高い技術的ハードル
- 最新技術の深い理解が必要
- 技術の変化が早く継続的な学習が必要
- エラーの解決に高度な知識が必要
一般的なWebサイト制作には、CMSテンプレート自作で十分すぎる品質を実現できます。
結論:なぜCMSテンプレート自作が最適解なのか
各選択肢の比較まとめ
項目 | ノーコード | CMS既存テンプレ | HTML直接 | CMSテンプレ自作 | プログラミング |
---|---|---|---|---|---|
カスタマイズ性 | × | × | ◎ | ◎ | ◎ |
コンテンツ更新 | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◎ |
パフォーマンス | △ | △ | ◎ | ◯ | ◎ |
技術独立性 | × | △ | ◎ | ◯ | ◎ |
開発工数 | ◎ | ◎ | ◯ | △ | × |
学習コスト | ◎ | ◯ | ◯ | △ | × |
CMSテンプレート自作が最適解である理由
1. すべての問題を解決する唯一の方法
- ノーコードツールの「カスタマイズ制限」を解決
- CMSテンプレート使用の「デザイン制約」を解決
- HTML直接コーディングの「更新困難」を解決
- プログラミングの「過剰な複雑性」を回避
2. 現実的なバランスの良さ
- 学習コストは高いが、一度習得すれば永続的に使える
- 初期制作期間は長いが、長期的なコストパフォーマンスが最高
- 高い技術力が必要だが、その分だけ高品質なサイトを制作可能
3. プロフェッショナルな制作現場の標準
- 多くのWeb制作会社が採用している方法
- クライアントの要望と現実的な運用を両立
- 品質・機能・保守性のバランスが最も優れている
最終的な選択指針
- すぐに簡単なサイトが欲しい → ノーコードツール
- 効率重視で基本的な更新機能が必要 → CMSテンプレート使用
- 完全オリジナルで更新は稀 → HTML直接コーディング
- 高品質で長期運用を前提とする → CMSテンプレート自作
- 最新技術で高機能アプリを作りたい → プログラミング
次回予告:なぜWordPressでCMSテンプレート自作を学ぶのか?
CMS(テンプレート自作)が最もバランスの取れた選択肢であることがわかりました。
しかし、「CMSテンプレート自作」と言っても、様々なCMSが存在します。なぜWordPressを選ぶのでしょうか?
WordPressを選ぶ理由
1. 圧倒的な市場シェア
- 全世界のWebサイトの約43%がWordPressで構築されている
- CMSの中では60%以上のシェアを占める圧倒的な存在
- 日本国内でも最も多く使われているCMS
2. 学習・就職・案件受注に最も有利
- Web制作の求人の多くがWordPressスキルを求めている
- フリーランス案件もWordPress関連が最も多い
- 一度覚えれば、多くの案件に対応可能
3. 豊富な情報とコミュニティ
- 日本語の学習資料が最も充実している
- 困った時に解決策を見つけやすい
- 大きなコミュニティによる継続的なサポート
4. 柔軟性と拡張性
- シンプルなサイトから複雑なWebアプリまで対応可能
- プラグインによる機能拡張が豊富
- カスタマイズの自由度が高い
次回からは、実際にWordPressでのオリジナルテンプレート制作を学んでいきます。
「オリジナリティ」「運用のしやすさ」「拡張性」「コストパフォーマンス」のすべてを実現する、本格的なWebサイト制作の世界へ足を踏み入れましょう。
一見難しそうに見えるWordPressテンプレート自作ですが、段階的に学んでいけば必ず習得できます。プロフェッショナルなWeb制作者への第一歩を、一緒に踏み出していきましょう!
